「美しの門で」 使徒の働き3:1-10
「この方以外には、だれによっても救いはありません。」(使徒4・12)
先週のペンテコステ礼拝では、聖霊を受けた弟子たちの伝道によって教会が誕生したことを学びました。使徒の働きは、聖霊に満たされた弟子たちによって福音が拡がっていくことが記されています。
1、美しの門での出来事(使徒3・1―10)
ペテロとヨハネが午後3時の祈りのために宮に行くと、生まれつき足の不自由な人が運ばれてきました。40歳過ぎの彼は、毎日「美しの門」に置いてもらい、人々から施しを受けていました。ペテロは、その人に、「金銀は私にはない。…ナザレのイエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい」(6)と言って手を取って立たせると、彼は躍り上がって立ち、神を賛美しつつ宮に入っていったのです。
イエス様の与えてくださる救いは、目先の問題解決にとどまらず、神を賛美し、礼拝する者へと新しく造り変えてくださいます。
2、悔い改めて神に立ち返れ (使徒3・11-26)
この光景を見ていた人たちは、ものも言えないほど驚き、彼らのところに一斉に駆け寄ってきました。この男が癒されたことによって、福音を伝えるチャンスが与えられたのです。ペテロは、この男に奇跡が起きたのは、自分の力や敬虔によってではなく、イエスの名によるものであることを証言しました(3・12、16)。続いて、ユダヤ人たちが無知のためにイエス様を十字架につけたが、それは預言者があらかじめ告げたように、神の御計画が実現したことだと語りました。
ペテロは、集まった人たちに「ですから、悔い改めて神に立ち返りなさい。そうすれば、あなたがたの罪はぬぐい去られます」(19)と迫りました。自分の罪を認めて、イエス様の十字架の死が自分の罪の身代わりだと信じて告白するならば、罪は赦されるのです。この約束は、現在も、これから先も有効な神の契約です。
3、イエス様を大胆に宣べ伝える(使徒4・1-22)
サドカイ人は、積極的にローマ帝国に協力し、富と名声、権力と安泰を手にしていました。彼らは、復活はないと主張していたので、復活を宣べ伝えるペテロとヨセフにいら立ち、彼らを捕らえて留置しました。思いがけない出来事の一方で、男の数だけで5千人ほどの大勢が信じたという喜ばしい出来事が記されています。
翌日、民の指導者たち、長老たち、律法学者たち、大祭司の一族もみな集まっている場所で、ペテロに弁明の機会が与えられました。聖霊に満たされたペテロは、生まれつき足の不自由な人が癒されたのは、「あなた方が十字架につけ、神が死者の中からよみがえらせたナザレ人イエス・キリストの名によることです。…この方以外には、だれによっても救いはありません。」(4・10-12)とはっきりと語りました。議員たちは、ペテロとヨハネの大胆さを見、また、二人が、無学な普通の人であるのを知って驚きました。さらに、癒された人が二人と一緒に立っているのを見て、返す言葉もありませんでした。もう、否定することができないので、今後だれにもイエスのことを語らないように命じたのです。ところが二人は、これからも神に従い、「私たちは、自分たちが見たことや聞いたことを話さないわけにはいきません」(20)と、キリストの証人としての使命を果たす覚悟を語りました。
私たちも、福音を伝えるチャンスが与えられたときに、聖霊により頼みながら、大胆に語る者とさせていただきましょう。(Ⅱテモテ1・7参照)