「教会の誕生」 使徒の働き2:37-47
「彼らはいつも、使徒たちの教えを守り、交わりを持ち、パンを裂き、祈りをしていた」。使徒の働き 2:42
主イエス・キリストは十字架で贖いの死をとげ、3日目に死人の中から復活し、40日間、栄光の姿で使徒たちに現れ、神の国を伝えられました(使徒1:1−3)。「聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。 そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります」(1:8)と、聖霊を待ち望むように命じられました。
五旬節の日に、使徒たち「皆」、「一人びとり」、に聖霊が注がれ、使徒たちは他国の言葉で語り始めました(2:1−4)。聖霊降臨は、ヨエルの預言(ヨエル2:28−32)と詩篇(16:8−11、110:1)の成就であり、、父なる神の約束である聖霊が、主イエスの十字架、復活、昇天によって、注がれたと大胆に語っています。
聖霊が注がれた経緯を見る時に、教会は聖霊によって誕生したことがわかります。聖霊に働く教会の特色は3つです。
1、聖霊による悔い改めと信仰
聖霊が働く教会の特色の第一は、明確な悔い改めと主イエスへの信仰です。
「人々はこれを聞いて、心を刺され」たのです(37)。「神が今や主ともキリストともされたこのイエスを、十字架につけたのです」(36)と聞き、自分たちの罪が主イエスを十字架につけたとわかったのです。「兄弟たち、私たちはどうしたらよいでしょうか」(37)と自己絶望し、使徒たちに聞いています。「それぞれ罪を赦していただくために、悔い改めて、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、聖霊の賜物を受けます」(38)と使徒たちは勧告し、その通りにします。主の前に心砕かれ、主を救い主と信じます。
2、聖霊による一致
特色の第二は、「一つ」(44、46、47)になることです。この日に3千人ほど救われ(41)、教会が誕生しました。「一つ」となって、教会は何を始めたのでしょう。
⑴「使徒たちの教えを守り」:旧約聖書を学び、主イエスの教えを守った。現代では聖書教育。
⑵「交わりを持ち」:物心両面の親密な交わり。現代では、男女、年齢、職業、階層、地域社会を超えた主にある親しい交わり。
⑶「パンを裂き」:聖餐式、愛餐の食事。
⑷「祈り」:聖霊に満たされ、祈り深くなる。人の業に頼らない。
聖霊は、今も、各教会に、各教団に、日本のキリスト教会に、全世界のキリスト教会に働いておられます。互いに違いがありながらも、主イエス・キリストの救いに与り、聖霊によって「一つ」となっているのです。
聖霊は、「一人びとり」に、働いておられます。ただ、群衆の中に埋没し流されているのではなく、聖霊によって、「一人びとり」が、神と主イエス・キリストと一対一の関係を持っているのです。「一人びとり」が、罪を示され悔い改めに導かれ、聖霊による力が与えられるのです。
3、聖霊による良い感化
特色の第三は、聖霊による「良識と感化」です。聖霊に満たされた結果、「神を賛美し、民全体から好意を持たれていた」のです(47)。信仰者が聖書の生き方を通して、社会に「良い感化」を与え、救われる人々が教会に加えられて行くのです(47)。