2023.04.30 メッセージ内容

「聖霊の働きとは」 使徒の働き1:3-11

あなたがたは間もなく、聖霊によるバプテスマを授けられるからです。(5節)

主イエスは40日にわたってご自分が復活されたことを使徒たちに示された後、昇天されました。肉眼の目では見えなくなられたのですが、それから10日後に聖霊が与えられたゆえに、彼らの生涯は劇的に変わっていったのです。それから2千年間、聖霊は働き続けておられます。聖霊の働きには、重要な点が3つあることを知って下さい。

一、父なる神の約束による

ヨハネ14:16に明記されていますが、主イエスは最後の晩餐の席で、父なる神が聖霊を遣わされるという約束を弟子たちに語られました。肉眼で主を見ることができなくなっても、聖霊は主が共にいておられることを証してくださいます。それが「聖霊によるバプテスマ」の意味していることです。「水のバプテスマ」と対比されていることには深い意味があります。

「水のバプテスマ」は、過去の罪を悔い改め、古い自分に死ぬことを象徴的に示していますが、「聖霊のバプテスマ」は、聖霊の中に常に浸され続けることを意味しています。私たちは聖霊に浸されて生きているのです。聖霊はどんな時にも共におられ、主のみことばの意味を理解させてくださいます。これこそ、父なる神が私たちに約束してくださったことです。

二、父の約束の実現を待つ

弟子たちは、この時も、主イエスが「イスラエルのために国を再興してくださる」という望みを抱いていました。しかし、剣の力で無理やりイスラエルをローマから独立させることが主の使命ではありませんでした。「神の国」を実現するために、父なる神は御子を遣わされたのです。弟子たちも「神の国」の建設のために召されました。だからこそ、父の約束の実現を待たねばなりません。

弟子たちは、主が十字架にかけられた危険なエルサレムに帰り、「聖霊によるバプテスマ」を受ける必要がありました。主が肉眼で見えなくなったとしても、信仰によって自分と共におられるという確信をもつための時間が必要だったのです。私たちも同じです。聖霊が私たちと共におられるという確信を得ねばなりません。そのためには、神と交わる祈りの時が不可欠です。

三、証人となる力が与えられる

主イエスは、「聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受ける」と宣言されました。その力とは、知力や権力や腕力ではありません。「証人」となる力です。主イエスは復活して自分と共におられるということを語る力です。弱い自分がこのように変えられたという恵みの証しです。この10日後に、この約束は実現しました。次の章以降は、あの臆病な弟子たちが大胆に福音宣教したことが詳しく記録されています。

「エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで」、弟子たちの働きの場は広がっていきました。私たちに適用するなら、「家庭、職場と学校、さらに地域社会まで」と言うことができるでしょう。自分の力でそれをすることなど、到底できません。しかし、主イエスの恵みが聖霊によって私たちの心に満ちていくなら、無理をしなくても福音は伝わっていくのです。

「聖霊のバプテスマ」は、何か特別の霊的経験ではありません。聖霊が自分の心にいてくださるという静かな喜びです。何でも主イエスに話しかけ、みことばによって励まされる経験です。非常事態になっても、主が共にいてくださるとの確信があるなら、あわてる必要はありません。

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