2023.01.01 メッセージ内容

「新しいみわざ」 イザヤ43:14-21

わたしは新しいことを行う。今、それが芽生えている。あなたがたはそれを知らないのか。(19節)

新年には新しいことにチャレンジしてみようという気持ちになります。でも実際やり始めてみると、継続するのはなかなか難しいものです。しかし聖書は、神がしてくださる新しいことについて何度も言及します。それは人間の考えをはるかに超えることです。それはどういう形で起こったか、またどう私たちと関係するかを学びましょう。

一、神の宣言

主は、イスラエルを「贖う方」「聖なる方」「創造者」「王」であると宣言なさいます。これらはすべて、イスラエルの歴史の中で人々が経験したことでした。特に、紀元前14世紀頃に、イスラエル民族が当時の大国エジプトで奴隷とされていたことは、彼らには忘れることができない大事件でした。でも主は、彼らをそこから脱出させてくださったのです。紅海の水が引き、彼らはそこを通って進んでいったことは、紀元前8世紀のイザヤの時代に至るまで伝えられ続けてきました。

わが国も、今から80年ほど前に大きな戦争をしました。敗戦という国家的危機の時代を乗り越え、驚くべき復興をとげたのは、国民の努力の賜物といわれますが、世界情勢がそれを支えたことを忘れてはなりません。コロナやウクライナの問題も、日本を含め全世界に大きな影響を与えています。だれも予想しなかったことでした。

二、敵の裁き

紅海の奇跡がおこった時、イスラエルを追撃してきたエジプトの大軍は、戻ってきた水に飲み込まれてしまいました。民を奴隷として苦しめる者を神は必ず裁かれます。紀元前6世紀にイスラエルの民を自国に捕囚としていたバビロニア帝国も、同じように裁かれます。そのことが起こる150年ほども前に、預言者イザヤはこのことを神から示され、人々に伝えていたのです。

コロナ発生の始点となった中国は、今、世界の中で最も苦しんでいます。ウクライナ進攻を始めたロシアにも多くの戦死者がでていると報道されています。その苦しみを「神の裁き」と受けとめるか、政策の誤りと理解するかの違いはあるかもしれません。しかし、長い歴史の中においては、人権を無視する人々はやがて歴史の表舞台から消えてしまうことは事実です。

三、民の救い

エジプト脱出においてイスラエルの民が救われたことは、歴史上の大事件でした。しかし主は、「昔のことに目を留めるな」と言われます。それ以上に驚くべきことが起こるからです。それは、海ではなく荒野に道を設けることでした。イスラエルの民はバビロンから大挙して故国に戻ってくるという「新しいこと」を神は始めようとされていたのです。ちょうど新しい芽が出るように。

その後も、イスラエルの民は苦難の歴史を歩んできました。紀元1世紀にはローマ帝国によって国を失ってしまったのですが、その1900年後、奇跡的に再建されました。今も大きな問題を抱えている国です。現代世界では、どの国も内政外交ともに複雑な問題をもっています。日本でも防衛政策や物価高騰など、国民はみな不安の中にあります。しかし、神は「新しいことを行う」と宣言されていることを忘れてはなりません。

新年を、希望をもって出発するためには、人の考えや能力以上のものが必要です。複雑な現代社会だからこそ、自分を形造ったお方がおられ、自分を愛し守ってくださることを受け入れ、神の言葉を聞く年としようではありませんか。

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