2023.02.19 メッセージ内容

「ネヘミヤの祈り」 ネヘミヤ1:1-9

どうか、あなたの耳を傾け、あなたの目を開いて、このしもべの祈りを聞いてください。(6節)

バビロン捕囚から帰ってきた人々はまずエルサレムにあった神殿再建に取り組み、主の助けによって紀元前515年に完成しました。それから約70年後のことです。ペルシア帝国に残っていたネヘミヤは、町を守る城壁が崩れたままであることを知り、真剣に神に祈りました。その祈りには3つの大切な要素があったことがわかります。

一、現状に対する悲しみ

ネヘミヤはペルシア帝国の王に仕える献酌官という高い地位にありました。彼のもとに、エルサレムに帰っていた人が来訪し、町の現状を報告したのです。当時、重要な町は堅固な城壁で守られていたのですが、バビロン軍によって破壊されたエルサレムの城壁は崩れたままで、敵は簡単に侵略できる状態でした。この知らせを聞いたネヘミヤは泣き悲しみ、断食して主に祈ったのです。

どんな人にも、いろんな悩みがやってきます。しかしそういう時こそ、真剣に神に祈るチャンスであることを忘れてはなりません。たとい自分は何の問題もなく過ごしていても、親しい人が苦しんでいる場合も同じです。今でも、地震や戦争で苦しんでいる人たちがたくさんいます。そういう人たちのために祈る者となりましょう。

二、罪に対する悔い改め

ネヘミヤは、イスラエルの民がバビロンに捕囚となったのは、真の神に信頼しないで自分勝手な生活をしていたゆえであることを自覚していました。そして150年程前の捕囚という悲劇は、自分たちの罪の結果であることを正直に告白します。直接自分が罪を犯したわけではないのに、神の前に出て謙遜に赦しを求めているのです。神が受け入れられるのはこのような「砕けた、悔いた心」であることを知ってください。

赤信号を無視したので交通事故にあったのなら、罪の結果であることは明白です。しかし、地震による苦しみはそんな単純な事ではありません。戦争にも複雑な原因があるでしょう。しかし聖書は、全ての人が罪を犯しているゆえに、様々な災害がおこっていることを示唆しています。私たちは、そのような罪に対しても、「主よ、赦してください」と祈り求める使命があるのです。

三、約束に対する信頼

真の神を信頼しないなら、主は、個人だけでなく国も滅ぼされるという警告は、すでにモーセが宣言していました(レビ26:33、申命4:27)。しかし主を信頼して立ち返るなら、復興してくださることも、また約束されています。ネヘミヤはこのことを知っていたので、大胆に祈ることができました。そして、王の前に出た時にこのことを率直に訴え、ある期間エルサレムに行き、城壁再建にあたることを願い出たのです。

このネヘミヤも、以前学んだエステルも、ペルシアの国の高い地位に着いていました。しかし、神に祈った結果として、大胆にその願いを王に奏上したことは重要です。特にネヘミヤは、自らが長い旅をしてエルサレムに戻り、民衆と共に城壁再建のために働く覚悟を固めていました。神の約束が実現することを信頼して。

神は約束されたことを確かに実現なさいます。人の働きによらないで奇跡的に実現される場合もありますが、多くの場合、神に信頼して労する者を通して実現なさいます。困難な時代に生きる私たちもネヘミヤと同じように祈り、私たちにできることは、どんな小さなことでも実行する者となろうではありませんか。

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