2023.02.05 メッセージ内容

「神の約束の実現」 エズラ1:1-7

エレミヤによって告げられた主のことばが成就するために…キュロスの霊を奮い立たせた。(1節)

聖書は今から2~3千年も前に書かれたのですが、現在でも読む者に大きな希望を与えます。それは、神の約束が実現した数々の実例があるからです。エレミヤは、バビロン捕囚となった時すでに、70年後に帰還することを神は約束していると預言していました(29:10)。しかもその帰還は驚くべき方法によってなされたのです。

一、異邦人の王によって

イスラエルの民は、同胞のモーセが過去にエジプトから自分たちを解放してくれたことを歴史的な事実として知っていました。しかし、バビロン捕囚からの解放の場合は、異邦人の王キュロスの命令によって実現したのです。エレミヤより前に活躍していたイザヤもこのことを預言していました(44:28)。エレミヤと同時代のダニエルが王にこの預言を示した可能性もあります(6:28)。

たといユダヤ人でなくても、神はご自分の計画を実現なさるために用いられます。特に大きな権力をもつ政治家は、その人が自覚しているか否かに関わらず、神の手の中にあることを知らねばなりません。キュロスはバビロンを滅ぼして神の民を故国に帰還させるために主が立てられた人物なのです。

二、主の宮の復興によって

捕囚からの解放は、バビロン軍によって廃墟となっていた主に宮を再建することを意味していました。これはバビロンで貧しい生活をしていた大多数のユダや人にとっては大きな負担でした。しかし、国を復興するためには、精神的な支柱を内に持つことが不可欠です。自分の力に頼らず神に頼ることこそ、ユダヤ人が知るべきことでした。バビロン軍によって略奪されていた宮の備品が返還されたのもそのためです。

宮の再建を指導したのは、祭司ヨシュアと総督ゼルバベルでした(3:2)。ハガイとゼカリヤの2人の祭司も民を励ましました(5:1)。有名な「権力によらず、能力によらず、わたしの霊によって」という聖句は、ゼカリヤの預言です(4:6)。「神が彼ら全員の霊を奮い立たせた」(5節)と書かれているように、これらの指導者たちを通して、神は貧しい帰還民を励まされました。

三、民の服従によって

神が、キュロス王の霊を奮い立たせ、指導者たちを奮い立たせ、そして民の霊を奮い立たせられたことを忘れてはなりません。しかし、主の約束の言葉に民が服従しなければ、国の再建は実現しませんでした。すぐに帰還しないで「残る者」(4節)もいましたが、帰還者たちの生活と宮の建築費のために、彼らは自分の財産を進んで献げたのです。残った者たちは、バビロンで成功した人々が多かったと推測されます。

今の時代もそうです。献金をするにしても奉仕をするにしても、それが自分の本心からのものでなければ意味はありません。初代教会にはアナニアとサッピラの例がありますが、彼らは「聖霊を欺いた」と書かれています(使徒5:3)。神の前に静かに祈り、自分の心から、喜びをもって献金し奉仕する者となりたく思います。

神の約束は確かに実現しました。主イエスの誕生は、神の多くの約束の中で最大のものです。今私たちは、欠けだらけの者であっても神の子とされていることは確実です。この確信をもち、聖霊に導かれて日々を歩む者となりましょう。悪の力が強いと思われるこの世界を、少しでも良いものにするため、私たちは生きているのですから。

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