2022.09.18 メッセージ内容

「神殿での祈り」 第一列王8:22-30

あなたご自身が、あなたの御住まいの場所、天においてこれを聞いてください。(30節)

ダビデからソロモンに王権が移って後、ソロモンが最初にしたことは、神殿建築という大事業でした。7年もかけたこの働きには大きな目的がありました。それは、この神殿で天地を創造された主なる神に祈りをささげることです。奉献式でのソロモンの祈りに三つの意義を見出せます。

一、約束と服従の祈り

ソロモンは、両手を天に向かって伸べ広げ、神はダビデに約束されたことを守られる方だと宣言しています。主はダビデに、「あなたがわたしの前に歩んだように、あなたの子孫がその道を守り、私の前に歩もうとするなら」、ダビデ王国は滅びることがない、というのが主の約束でした。だからこそ、ソロモンは主のことばに服従することをこの祈りで表明していたのです。この態度は、全ての祈りに共通することです。

しかし残念ながら、ソロモンはこの祈りのとおりに歩むことはしませんでした。彼も彼に続く歴代の王たちの多くも、主の約束に服従しなかったのです。それが後に悲劇をもたらすことになるとは、この時にはだれも知りませんでした。主は約束を破ることはなさいません。問題は、人がこの約束どおり、主の前に歩むかどうかです。約束があるからこそ、服従する決意が必要なのです。

二、遍在と臨在の祈り

ソロモンは神の偉大さを熟知し、全世界のどんなものをもってしても、神をお入れすることはできないと言っています。どんな豪勢な神殿でも、神の住まいになりえないのです。しかし神は、「わたしの名をそこに置く」と言われた方であり、神殿に確かに臨在されることを信じていました。天地を創造された神は、今も世界に遍在されます。しかし、神殿や教会で祈る者たちのために、ご自身の臨在をそこでお示しになるのです。

神は本来遍在される方です。その方に祈ることは、家でも野原でも山でも海でも、どこでも祈ることはできます。しかし、祈り求める者がいるならば、そこに臨在されるお方でもあります。それが明確になったのは、主イエスがこの地上に誕生された時でした。さらに主イエスは、聖霊として私たちの内に臨在くださるのです。

三、祝福と悔い改めの祈り

最後にソロモンは、「この場所に向かってささげる願いを聞いてください。あなたご自身が、あなたの御住まいの場所、天においてこれを聞いてください。聞いてお赦しください」と祈りました。祝福してくださいとの祈りとともに、悔い改めの祈りをささげたのです。祝福してくださいという祈りをする人は多くいますが、悔い改めの祈りはそれに伴っているでしょうか。主が好まれるのは、「悔いた砕けた魂」なのです。

ソロモンは31節から53節まで、民が様々な罪を犯した時を挙げ、その場合に悔い改めるなら、罪を赦して回復させてくださいと祈っています。これ以降のイスラエルの歴史を見ると、まさにこの通りになったことがわかります。そして、新しいイスラエルである教会が、この地上に産み出されたのです。アブラハムからダビデに受け継がれた祝福は、現在、全世界に拡がっています。

教会は神の臨在のある所です。そこは祈りの家です。神と交わり、また神を介して人と交わる所です。神との交わりはどこでもできますが、信徒の交わりのためには、具体的な場所が必要です。私たちの教会が、聖書に書かれている正しい姿になるよう、心がけましょう。

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