2025.11.9メッセージ内容

「ぜひ、福音を伝えたい」 ローマ1:8-15

「ですから私としては、ローマにいるあなたがたにも、ぜひ福音を伝えたいのです。」ローマ1:15

パウロは、当時の地中海世界の中心であるローマにも福音が伝えられ、教会があることを聞き、コリントの町で、女性執事フィべに、この手紙をローマの信徒たちに渡すように頼みました(16:1−2)。

1、なんとかして、行きたい

「まず初めに、私はあなたがたすべてについて、イエス・キリストを通して私の神に感謝します」(8)。ローマの信徒も、パウロ自身も福音が伝えられ救われたことを、感謝しています。

パウロの祈りは、そのローマの信徒たちに、なんとかして会いたい と熱望し(10、13)、「絶えず」(10)「いつも」(11)祈っていました。主にある兄弟姉妹の交わりを深めたいと願っているのです。そして、パウロはローマに到着します(使徒28:14−15)。

2、信仰によって、ともに励ましを受けたい

なぜ、これほどまでローマの信徒に会いたいと願ったのでしょうか。

⑴教会が生かされ強められるために

「御霊の賜物をいくらかでも分け与えて、あなたがたを強くしたいからです」(11)。ローマでは、異邦人、ユダヤ人、いろいろな階層の人たちが「人間的に仲良しになる」だけでは、教会の人間関係は破綻してしまいます。

まず、教会には、聖霊による一致が必要です。「謙遜と柔和の限りを尽くし、寛容を示し、愛をもって互いに耐え忍び、平和の絆で結ばれて、御霊による一致を熱心に保ちなさい」(エペソ4:2、3)。

次に、教会が強められるためには、信徒が神に与えられた御霊の賜物を自覚し、活かすことです。人間的な奉仕は自己満足や自己実現のためとなり、教会の徳を高めることにはなりません。また、誰も威張ることなく、萎縮することなく、各自の御霊の賜物が活かされ、キリストの体として、互いに調和しているのです(Iコリント12章)。

⑵互いに信仰による励ましを受けるため

「あなたがたの間にあって、あなたがたと私の互いの信仰によって、ともに励ましを受けたいのです」(ローマ1:12)。地中海世界の中心の大都会の中では、教会はあまりにも小さな群れで、ローマ皇帝崇拝、世俗的習慣に飲み込まれてしまいます。その中で、信仰生活を続けるには、教会で、互いに信仰の励ましを受けることが大切です。どんなに燃えている薪でも、一本だけでは、いつかは消えてしまいます。消えかかっている薪でも、燃えている薪と一緒になれば、また燃え続けることができます。

3、ぜひ、福音を伝えたい

「私は、ギリシア人にも未開の人にも、知識のある人にも知識のない人にも、負い目のある者です」(14)。「負い目」とは、「しなければならない責任」という意味です。神のご計画と聖徒たち苦難を通して、私にまで福音が伝えられました。今度は、その福音を私が伝える番です。その時、苦難があるから止めるのではなく、「ぜひ、福音を伝えたいのです」。私でなければ、伝えられない人がいるからです。

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