「神を愛し従い通す」 Ⅰ列王11:1-13
「神の命令を守ること、それが、神を愛することです。神の命令は重荷とはなりません」。(Iヨハネ5:3)
1、ソロモンの繁栄と罪の転落
⑴ソロモンの繁栄
ソロモン王は、神から知恵が与えられ、むずかしい裁判で鮮やかな判決を下しました(Ⅰ列王3章)。ソロモンの名声を聞いたシェバの女王は、ソロモンを訪ね、聡明な知恵と優れた統治に驚きます(I列王10:1−13)。ソロモンの時代、イスラエル民族は繁栄の頂点にありました(I列王10:14ー29)。
⑵ソロモンの罪の転落
ソロモン王は、この時から転落の一途をたどり始めます。
①外国人の七百人の王妃と三百人の側女を抱えます(11:3)。外国との関係を保つための「政略結婚」で、古代社会の権力者は誰でもしていますが、一夫一婦制の神の秩序に反します。
②偶像礼拝を行います。外国の女たちが持ち込んだ偶像の神々をソロモン自身が受け入れ、偶像の礼拝所を設置し、異教礼拝を行います(11:4−8)。
③神は、二度も、ソロモンに現れ警告します(11:9−10)。ソロモンは神の最後通告を無視します。その結果、神の審判として、イスラエル民族は、ソロモン以後、南北に分かれことになります(11:9−10)。
⑶ソロモンの罪の発端
①繁栄による慢心。父ダビデから継承した信仰を持ち、神との契約を知っていたはずです。国は繁栄を極め、ソロモンは慢心してしまいました。
②外国の妻たちを愛し、その妻たちによって、心が偶像神に傾いてしまいました(11:4)。「年をとったとき」(11:4)に、信仰者が晩節を汚してしまいました。
③主から心が離れてしまいました(4、6)。父ダビデの信仰を継承したソロモンでしたが、その信仰を生涯の最期まで全うすることができませんでした。そして、自分だけでなく、後に国は分裂し最終的に国家滅亡になります。「終わりの始まり」と言えます。
④悔い改められない頑なな心になってしまいました。「主はソロモンに怒りを発せられた」(9)にもかかわらず、神を畏れ神の前に悔い改めることができなくなってしまいました。父ダビデも恐ろしい罪を犯しましたが、ダビデは徹底的な悔い改めをしています(詩篇32)。
2、神を愛し、従い通す
ソロモンは信仰者の「反面教師」です。
彼は、世俗を愛し、神の敵となってしまいました。「節操のない者たち。世を愛することは神に敵対することだと分からないのですか。世の友となりたいと思う者はだれでも、自分を神の敵としているのです」(ヤコブ4:4)。
私たちは、世俗にまみれて、そこから抜けられなくなってしまわないことです。罪を犯し続け、信仰の良心が麻痺してしまってはなりません。
私たちのできることは、生涯の最期まで、父なる神と救い主・イエス・キリストを愛し続けることです。そして、喜んでお従いすることです。