「すべての人の主」 使徒の働き10:34-43
「このイエス・キリストはすべての人の主です。」(使徒10:36)
この当時、ユダヤ人は選民意識が強く、異邦人と交わったり、訪問したりすることは許されていませんでした。異邦人伝道が公にスタートした今日の箇所から、主の導きを学びましょう。
1、神の幻による導き(1-16)
コルネリウスは、カイサリアの町に住むローマ軍の百人隊長です。異邦人でしたが、まことの神を信じている信心深い人でした。ある日、み使いが「ペテロという人を招きなさい」と言ったので、早速3人の使いにペテロを迎えに行かせました。
翌日、3人がヤッファの町の近くに来た昼頃、ペテロは、不思議な幻を見ました。大きな布のような入れ物の中に様々な動物がいて、「屠って食べなさい」という声が聞こえました。ペテロは「主よ、そんなことはできません。きよくない物や汚れた物を食べたことがありません」(レビ記11章参照)と断ると、「神がきよめた物を、きよくないと言ってはならない」と声が聞こえました。そんな幻が3回もありました。
2、神の導きの確信(17-33)
ペテロが今見た幻にどんな意味があるのかと思いめぐらしていると、なんと、コルネリウスが送った3人の使いが訪ねてきたのです。ペテロは、御霊に促されて、使いたちに会いました。彼らが聖なるみ使いから示されたことを伝えると、彼らを迎えて泊まらせました。
翌日、ペテロは彼らと一緒に出かけ、コルネリウスの家に到着すると、多くの異邦人が集まっていました。そこで、ためらうことなく訪ねてきたのは、神様に見せられた幻に示されたからだと語りました。ペテロが自分を招いた訳を尋ねると、コルネリウスは四日前に見た幻のことを話しました。その場にいる皆が、主の導きを確信したことでしょう。
3、イエス様はすべての人の主(34-43)
ペテロは、神が異邦人も愛しておられ、汚れた者ではないと教えてくださったことがはっきりとわかりました。そこで語ったのが34-43節です。そのポイントは、
・神はどこの国の人であっても、神をおそれ、正義を行う人を受けいれられる。
・イエス・キリストは、すべての人の主。
・ユダヤ人はイエスを木にかけて殺したが、神は三日目によみがえらせた。
・私たちはキリストの復活の証人。
・神は私たちに、イエスのことを宣べ伝え、証しするように命じられた。
・イエスを信じる者はだれでも、その名によって罪の赦しが受けられる。
ペテロが話し続けていると、みことばを聞いた異邦人に聖霊が降り、喜びにあふれて神を心から賛美しました。同行した人たちはその様子に驚き、異邦人がバプテスマを受けることを認めざるを得ませんでした。そこでペテロは、イエス様を信じた異邦人たちにバプテスマを授けました。
神はキリストによる平和の福音を通して、すべての人を救いに招いておられます。どんな人でもイエス様を信じることで、罪が赦され、神の子とされて永遠の命をいただくことができます。イエス様はすべての人の救い主です。